「絶対、苦しいじゃんそんなん」
すっと視線をあげた洸汰さんと目が合う。
好きでいていいんだよ。無理やり消さなくていいんだよ。
そう考えるととても心が軽くなるの。
「そうかもしれないですね」
「……郁磨を美里のところに送り出したのは日向子ちゃんだよ」
「そうですね。でも、美里ちゃんと付き合い始めたのはちゃんと大上くんの意思があると思います。
わたしに言われたから付き合う。大上くんはそういうことすると思いません」
「まぁ……そうだね。アイツ、自分をしっかり持ってるヤツだよね」
わたしから視線をはずしてどこか一点をぼんやりと見ているその目は、何かを懐かしむように遠くを見ているふうだった。
大上くんは他人に流されるような人じゃないとわたしは思ってる。
「日向子ちゃんはいつからそんなに強くなったの」