洸汰さんは無表情で小さく口を開いた。

その変な間が空気を重くする。



「恋愛はそんなに難しく考えて行動しなくていいんだよ。直感で動けばいい」



飲み物はなくなって氷もほとんど溶けて空になってしまった容器からそっと手を離し、視線を机の上に落とす。


そんなこと簡単に言うけど……



「好きだけど別れるって、俺には絶対できない」


「…………」


「まぁ、でも……好きだけじゃどうにもならないことだってあるね」


「はい……」



わかってる。

好きという気持ちがどんなに大きくたって、どうにもできないことがあるってこと。


じゃあ、どうしたらいいの。



「大上くんが好きです。……まだ、好きです」



口には絶対出さないって決めてたけど、……言ってしまった。