なんだかわたしは落ち着かなくて手を触ったり曖昧に笑ったりとなかなか話し出せないでいた。
洸汰さんっていつも優しい目を向けてくるんだ。
そう感じてるのはわたしだけかもしれないけど、洸汰さんって人を見つめる眼差しがとても優しい。
温かい人だ。
「自分の気持ちをコントロールするのって難しいんですね。……とくに、恋愛面とか」
「……そうだね」
「もう、どうしていいのかわかんないです」
笑うところじゃないのに乾いた笑いが出てきてしまう。
一度決めたことなのになんでわたし、こんなにも揺らいでいるんだろう。
自分で決めたことなのに。
「あれだよね、日向子ちゃんって真面目だからさ」
そこでいったん言葉を切る洸汰さんに首をかしげる。
