ん?と首をかしげる洸汰さんの顔はどこか表情が硬い。


夕飯を食べるにはまだ時間が早すぎて、だから飲み物だけを買って席に座っている。

洸汰さんは全然飲んでないのに対し、わたしのはもうすぐでなくなる。



「じゃあ、日向子ちゃんも俺の話聞いてよ」


「……はい」


「いつもはぐらかされて。ちゃんと伝えようとすれば君は逃げるよね」



困ったように笑う洸汰さんにわたしは視線を机の上に落とした。


どうしたらいいのかわからなくて逃げていた。


洸汰さんを傷つけたくなかったから?

洸汰さんとは今以上の関係にはなりたくないと思ってるから。


わたしはいつも自分のことばかりしか考えていないんだ。

自分のことしか考えられていない。



「……日向子ちゃんの話、さきに聞かせてよ」