床に置いていたケータイが小さく振動した。

メールなら振動時間は短いんだけど……


ブーブー鳴っているケータイを覗き込むと大上くんの名前が。

え、なんで電話!?



「もしもし?」


『起きてんだろ。早くドア開けろよ』


「……あ、今ピンポーンって押したの大上くん?」


『うん。寒いから早く』



はい、と返事をする前にブチッと大上くんが先に電話を切った。


急いでドアを開けると昨日ぶりの大上くんの姿がそこに。


たくさん泣いた。
泣きすぎて頭痛がさらにひどくなったけど目を閉じていればいつのまにか寝ちゃってて。


鏡で確認したけど目の腫れはそんなに目立っていなかった。



泣いた分だけ笑って。
もう大丈夫、今はちゃんと笑える。


「おはよう、大上くん」