ハンガーからはずし、何気なく手をポケットに入れた。



「ん、……あらっ」



握った手のひらを開くとそこには探していた鍵が。

わぁ、まじかっ!
コートに入れってたんだっけ、わたし!


全然覚えてなかったや。



ケータイをとって大上くんの番号を探す。

電話をかけようとした手を一瞬止め、戻るボダンを押す。


電話じゃ、あれかな。
出ないかな。



「鍵あったよ、っと」



そう打ち込んで送った。

画面を閉じようと思ったときわたしが送ったメッセージに“既読”とついた。


早っ。

え、だって、まだ一分も経ってないよ?