そんな怖い顔しなくたっていいじゃない。


洸汰さんとはもう関わる気がないんだろうね……大上くん。



「俺がお前を連れて来たんだよ。学校からここまで」


「…………えっと?」


「フラフラ歩いてる日向子に声をかけたらいきなり倒れ込んできて、名前を呼んでもうなってるだけだし、顔赤いし。

病院直行しようかと思ったけどお前が嫌だって拒否したんだよ」



ベッド横まで来た大上くんは床に座った。

さっきよりはっきりと大上くんの顔が見れる。


重なった視線に一瞬、息が止まる。


見つめ合ってるのには別に意味なんてないのに。
泣きそうになるわたしはまだまだ、だ。


優しいその瞳が胸の鼓動をうるさくし始める。


その瞳がまた、自分に向けられるとは思ってなかったから戸惑う。