もしかしたら“好き”以上かもしれない。

何年経った今でもまだ心の中には美里ちゃんがいたのだから。


どうでもいいと思ってたら美里ちゃんのことは完全に放っておくだろうし、頼み事も聞き入れないだろう。



「大上くんがわたしのことも好きでいてくれたことはわかったよ」


「日向子しか好きじゃねぇって言ったんだけど」



まっすぐに大上くんを見つめる。



「大上くん。ちゃんと、自分の心と向き合って。逃げないで」



瞳が揺れた気がした。
そんな顔しないでよ。

無性に抱きしめてあげたくなってしまう。



「目を背けていたら大上くんはいつまでも人を信じるということができない」



だから、ちゃんと向き合って。