話し終えた大上くんは静かに深く息を吐き出した。
小さく口を開いて視線をあげる。
思ったことをすべてそのまま言おう。
「大上くんは美里ちゃんのこともうなんとも思ってないの?」
何度この質問をしても大上くんは同じことを答えてくれる。
なんとも思ってないのならどうして……
「じゃあ、どうして美里ちゃんの頼み事を聞いているの?」
嫌なら美里ちゃんが近づけないぐらいに拒絶すればいい。
大上くんならそんなこと平気でできるはずだ。
「大上くんは美里ちゃんを許せない。それはまだ美里ちゃんのことが好きだから。……違う?」
「は……?おまえ、人の話聞いてたか?」