「日向子!もーっ、いきなり消えないでよ!」


お姉ちゃんの声にわたしと大上くんは顔を向ける。

少し驚いたふうのお姉ちゃんに大上くんは小さく頭を下げた。


意外って言ったらあれだけど。
大上くんは意外と礼儀正しい。



「あ、あぁ……えっと、郁磨くんよかったら家来る?」



…えぇっ!?ちょっとお姉ちゃん!?



「はい、強制連行ね!」

「お、大上くんこれから用事あるんだって!無理だって!」



絶対ダメ。そんなのわたしが認めない!


お姉ちゃんの腕をとろうとしたら、大上くんが一歩お姉ちゃんへと近づいていった。



「日向子と話がしたいんで、借りていいですか。俺がちゃんと家まで送りますので」