大上くんなんてもうどこにでも行っちゃえばいい。
美里ちゃんのところに行っちゃえばいい。
……戻れば、いい。
「だって、大上くん、隠してたじゃん。美里ちゃんが泊まったこと……わたしが知らないと思ってた?バレなければいいやって思ってた?だから黙ってたんでしょ?」
「んなこと思ってねーよっ!勝手に一人で暴走してんな」
「なっ、にそれ……っ!」
なに、その言い方!
「俺のこと信じらんねえ?」
──『あいつに信じてるって言葉は言わないほうがいいよ。その言葉が一番嫌いらしいから』
いつだったかは忘れてしまったけど。
洸汰さんに言われた言葉を思い出した。
大上くんが自分からこの言葉を口にするなんて……