さっきからわたしの物しか買っていない。
しかもお金を出してくれるのはお姉ちゃん。



「いーのよ。わたしがあんたに買ってあげたいの!」

「なによそれ~……」



なんだかちょっと泣きたくなってきちゃった。

今、優しくされるとダメだ。


他のお店を見てくると言ってお母さんは別行動を開始した。

わたしお姉ちゃんと二人でお店を見てまわる。


楽しそうに笑うお姉ちゃんの隣でわたしはうまく笑えてるかな。

まぁ、作り笑いなんてすぐにバレちゃうんだけど。


だってお姉ちゃんだもん。


いつもなら「なに、その変な顔は」って言ってくるのに今回は言ってこない。