家から少し離れたところにあるショッピングモールにわたし達は来ていた。


休日だからか人がものすごく多い。

小さな子どもを連れてやってきている家族や友達同士、恋人同士。


仲良さそうに寄り添って歩く男女を見るとさっと視線を外してしまう。



「日向子にすごい似合いそうだよ、これーっ」



今日はやたらとテンションが高いお姉ちゃん。

なにかいいことでもあったんだね、きっと。



「もうわたしの分はいいよ。こんなにいろいろ買っちゃったし……」



自分の両手に視線を落としながら服を見ては、はしゃいでいるお姉ちゃんに声をかける。