───大上くんは過去に執着してるんじゃないの?


「あ……?」


日向子の声が聞こえて思わずドアノブに手を置く。

中にいるのか?
今のは俺の頭の中で聞こえた声か?



「あら、大上くん。おはよう。日向子ちゃんならもう先に行ったみたいよ?」


「え、あ……そうなんですか」



まじかよ。

やべぇな、俺。
聞こえるはずのない日向子の声が聞こえるとか…


話したいことをまとめてから日向子とちゃんと話をしよう。





どんどん冬に近づいていってるのかもうこんなに寒い。

時間だけが流れていく。


俺はその手を離したくない。