「花~、一緒に帰ろ!」
「うん、帰ろっか!」

今日もあたしは昨日のようにメイたちに誘われ、一緒に帰ることにした。
・・・が、しかし・・・・

「木村、ちょっと待て。今日は学級委員の仕事があるから、今日はまだ帰るな。」

そういって、あたしを引き止めたのは担任の先生。
えぇ~、マジですか・・・。

「分かりました。ごめんね、メイ。じゃ、バイバイ。」
「うん、バイバイ~。」
「先生、仕事って何ですか?」
「これからの学年集会とか、学級委員の仕事の説明についてだ。今から、図書室に来い。」
「分かりました。」

先生は一旦、職員室へ戻ると言ったので、あたしは1人で図書室へ向かった。

「あれ・・・?」

優君はもう図書室にいるのかなって思ったのに・・・
まだ・・・いない・・・
ま、いっか。
そのうち来るでしょ!

・・・15分後

えぇ~、どうしよ・・・
まだ来ないよ・・・
しかも、先生まで来ないって・・・どういうこと・・・?
ちょっと探しに行こう!
そう思って、図書室を2~3歩出た瞬間、そこには先生と優君がいた。

「すまん、園田に今日は委員会があるから木村に伝えておけって伝言頼んだんだけど、肝心のコイツが忘れてたんだよ。ほら、園田、木村に謝れ。」
「花、ゴメンな・・・。」
「ううん、大丈夫だよ。」

そして、予定より15分ほど遅れて委員会が始まった。
委員会、といっても学級委員の仕事を10分程度説明された。

「んじゃ、よろしくな。」

と言って、先生は図書室を出て行ってしまった。
そして、あたしは優君と2人きり。

「ごめんね、俺のせいで学級委員やることになっちゃって。」
「ううん、そんなことないよ。」
「じゃあ、2人で仕事片付けていこっか!」
「うん!」

作業しながら、最初は学校とかこの街の話をしていたけど、プライベートの話もして好きなものの話もした。
特に好きなマンガの話で盛り上がった。
あたしは父子家庭で育ったせいか、たまに男っぽい言動になってしまったり、少女マンガももちろん読むけど、男子が読むようなマンガを読むこともあった。
それで、優君と好きなマンガについて話していたら、あたしと同じマンガが好きだということが分かって、「あのシーンは感動したよね!」「あのキャラは最高だよね!」と、結構盛り上がっていた。
優君とマンガの話をしたらもう、キリがなくて、いっぱいあった仕事もいつの間にか終わっちゃった♪

「あれ~、もう、終わっちゃたよ~。」
「そうだね。お疲れ様!」
「また今日の話したいな~。超楽しかった!」
「俺も。楽しかったな。そうだ、メアド教えてくれない?」
「いいよ~。じゃあ、この紙に書くから、優君もこの紙に書いてね。」
「うん。」

あたしはブレザーのポケットから手帳を取り出し、紙を2枚破いて、そのうちの1枚を優君に手渡した。
メアドを書き終えると、紙を半分に折って交換した。

「ありがとう、帰ったら早速メールするかも。」
「分かった、じゃあね~。」
「じゃあな、花。」

笑顔で優君にそう言われ、なぜかドキっとしてしまった。