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「おはよう」
後ろから声を掛けられて、体がびくりとこわばった。
包丁を持っていた手をとめて振り返ると、いつものようにスーツ姿で食卓につく父親の姿があった。
「お、おはよ」
無理やり笑みを作ってまな板に向き直る。
どうしよう……
お父さんの顔が見られない。
心臓の鼓動が重い。
夕べの瑞貴とのキスに、罪悪感がこみ上げる。
好きだといわれて、まっすぐに見つめられ、私は拒絶することができなかった。
それどころか―――