いつものように瑞貴は斜めがけバッグを外してテーブルに置いた。

視線が交錯する。


う……どうしよう。


何か言わなきゃいけない、よね?


いつも通りに――って、いつも何話してたっけ?



一人で焦っている私を横目に、瑞貴は冷蔵庫に近づいた。

そのまま牛乳を取り出し、パックのまま口をつける。 


「……」


言葉がでてこなかった。


いつも通りの行動をする瑞貴の横顔。

まるで何事もなかったみたいな、怒っても笑ってもいない、まっさらな表情。

 
もしかしたら、こんなに気にしてるのって、私だけなのかもしれない。
 

そう思ったら、急に恥ずかしくなった。