頭がぼうっとしてうまく働かない。

……寝不足のせいだ。



本当なら今日は石川君にお弁当を作っていこうと思ってたけれど、やめておいた方が賢明かもしれない。

今日はなんだか料理をうまく作れる気がしなかった。


冷蔵庫を閉めて深い溜息を吐いた、そのときだった。



「一歌」

「わっ」

 
驚いた私は持っていた牛乳パックを落としてしまった。

びしゃっと白い液体が飛び散り、ひんやりと冷たい感触が靴下から浸透してくる。


「あー、何やってんだよ」


おそるおそる振り返った私の目の前で、瑞貴は昨夜と同じTシャツ姿のまま眉をひそめていた。