「んー12歳差かー……結婚相手にはちょうどいいんじゃない?」
そう言って人差し指を掲げた。
「お杉ちゃん背は高いし、ルックスも悪いほうじゃないしさ。頭髪がちょっと残念だけど、オペの腕はいいし。実家は開業じゃないから彼親との面倒なあれこれもないよ」
「あたし、そういうのは別に」
小さくつぶやいてやり過そうとすると、彼女は顔をしかめた。
「一歌、久保さんと別れたのいつだった?」
「え……? えと……2年前?」
「じゃあ2年も彼氏いないんじゃない。医者と結婚したいから久保さんを切ったんじゃなかったの?」
「人聞き悪いなぁ」
苦笑して、お弁当箱をしまう。