「一歌……痩せたんじゃない?」
「そう?」
リビングのソファからエリカちゃんが心配そうに私を覗き込んだ。
弟は塾に行っていて、家の中には私と心配して様子を見に来てくれたエリカちゃんの2人だけだ。
お客様用に用意する飲み物は、冷たい麦茶から温かい紅茶に変わっていた。
「瑞貴とは、どう?」
「うん……」
いいとも悪いとも答えられず、綺麗に整えられた巻き髪をぼんやりと眺める。
強くて、綺麗で、明るくて、私の憧れのお姉さん。
どういう恋愛を経験すれば、エリカちゃんみたいになれるんだろう。
「エリカちゃんの彼氏って、どんな人なの?」
「え!? なに、急に」
「……聞いたことないなって思って」
つぶやくと、彼女は唇を突き出して胡坐をかいた。