あたしの右手にキス、してるのは――
心臓が口元まで上がってくるんじゃないかと思うくらい、暴れまわってる。
されるがままになった右手は、いちどギュッと強く握り締められ、やがてふわりと解放された。
そのまま、再び安らかな寝息を立て始める可愛い弟。
私はへたり込みそうになりながら、どうにか瑞貴の部屋を後にした。
夜食を置いてきてしまったけど、取りに行くことなんかできそうもない。
逃げるように自分の部屋に駆け込み、ドアを閉めてそのままずるずると座り込んだ。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…