「あたしも、好きだよ瑞貴」 素直に答えると弟はますます眉を歪めた。 「だったら! 何を考える必要がある?」 瑞貴が口調を強め、私も必死になる。 「あるよ、いろいろ」 「なにがだよ。想い合ってるんなら、それでいーじゃんか!」 「だって、姉と弟だもん!」 「血は繋がってないだろ」 吐き捨てられ、言葉を呑み込んだ。 そういう、問題じゃないのに。 はぜてしまいそうな感情を抑え、呼吸を落ち着ける。