……油断した。


いつも一緒のベッドに上がってもじゃれるだけで終わっていたのに。

枕に寄りかかった私を、瑞貴はゆっくり追い詰める。


至近距離から注がれる強いまなざし。

濁りのない大きな瞳で見つめられ、音のない部屋の中に鼓動が響く。


「だめ――」


最後まで声にすることはできず、瑞貴の唇に呼吸を奪われた。

優しくキスをされた後、するりと舌を差し込まれる。


「――…ふ」 


熱い。

舌が絡み合って、声が勝手にこぼれてしまう。



お互いの呼吸を間近に感じる。


濡れた舌先に翻弄され、繋いだ両手に力が込められて――



雰囲気に、呑みこまれる……