「え……?」
麦茶のコップを勢いよく飲み干し、エリカちゃんはユリを見た。
「ね、ユリ」
「うん」
ユリがうなずく。
「一歌がどうしたいのか……それが一番大事かな、と思って」
妹の言葉に、姉が続ける。
「あたしはどっちかっていうと反対派だけどね……」
「それでも、一歌が決めたことを全力で応援する。そういうふうに、あたしたちも決めたの」
注がれる2人の視線に、言葉が詰まる。
「どうしたい? 一歌」
ユリの声と、
「難しいけど、ずっと答えを出さないままにはしておけないでしょ」
エリカちゃんの言葉。
瑞貴と恋愛を続けることで起こり得る、すべての可能性。
考えなきゃいけないことがいろいろありすぎて……