私の瑞貴に対する想いも、瑞貴の気持ちも、
 
一時だけの誤りだっていうの……?


「それが分からないなら、しばらく距離を置いたら? 離れて他の人間をいろいろ見てみることも大事だよ。瑞貴なんてまだ受験生でしょ?」


エリカちゃんの言葉がするりと耳を抜けていく。

言葉にするだけなら簡単だ。
 


同じ家に住んでるのに、離れることなんかできるのかな。
 
そもそも、瑞貴がそんな提案を受け入れるかどうか……。
 

黙っている私に、エリカちゃんは言葉を続ける。


「他の人間をみた上で、それでも2人が本気で想い合ってるなら、自分のことに自分で責任がとれるようになってから、付き合ったら? ただし、弊害はいろいろあると思うけどね」

「弊害……?」

「自分でも、分かってるでしょ?」