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夏休みでよかったと、心底思う。
石川君がもしあの場面のことを友達に話していたら、学校で噂が広まっていたかもしれない。
もし友達やクラスメイトが、石川君と同じ、あの目で見てきたら――
背筋が震える。
……でもきっと、それが世間の反応というものなんだ。
私は知ってる。
人と違う部分はすぐ槍玉に挙げられて、噂話の対象になる。
万が一、ご近所にも噂が広まったら……。
私だけじゃない。
瑞貴も、お父さんも、あの冷えた目で見られることになる。
どうすればいいんだろう。
どうすれば――
考えながら窓辺の観葉植物に水をあげていると「一歌」と呼びかけられた。
振り向くと、カバンを背負った瑞貴が目に入る。