「だから、その、あたしたちの将来とかさ」
途切れ途切れに言うと、瑞貴は首をひねった。
「なんで? 何か問題でもある?」
「え……? だって、姉弟なんだから公然と付き合うわけにはいかないし、世間体だって」
「バレないようにすればいいだけじゃん」
「え……」
思わず停止してしまう。
簡単なことだとでもいうように、弟は答えを提示する。
「大丈夫だって、心配すんなよ」
「だけど」
「俺と一歌の気持ちさえブレなければ、何の問題もないよ」
「……でも」
不安を拭えないままでいると、瑞貴は困ったように笑った。
「一歌の心配も分かるけどさ、本来はもっと堂々としてたっていいくらいなんだって。だって俺たち、血は繋がってないんだし」