「え……どうして?」
 

瑞貴のレベルより低いのは自覚してるけど、そうはっきり言い切られるのも複雑だ。
 
だって普通は、好きな人と同じ学校に行きたいよね。


「行ったところでイチャつけないんじゃ意味ねーし」

「……」

「周りのヤツに一歌の『弟』って認識されんのも嫌だし」


――弟ではなく、恋人として見られたい。


そんな瑞貴の願望は、学校じゃなくたって叶えられないよ。
 


どこに行ったって、あたしと瑞貴が家族であることに変わりはないんだから。



「あのね瑞貴」

「ん?」
 

ちゃんと、考えないと――
 

不思議そうに私を見る目は、凛として涼やかだ。
 
まっすぐに見返せないくらいに。


「いろいろ、話をしなきゃいけないと思って……」

「話? なんの?」