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今までなんとなくいけないことだと分かっていながら、深く考えることを避けてきた。
私は瑞貴が好きで、瑞貴も私を想ってくれていて、
ただそれだけなら何も問題ない。
でもふたりで進む未来のことを考えると、どうしてもイメージが湧かない。
……恐い。
前後左右が分からなくなるくらいの深い闇に、足を踏み入れるみたいで――
だから考えることから逃げていた。
でもきっと、それじゃダメなんだ――
ユリとエリカちゃんが帰った後、麦茶のコップを片付けていると瑞貴が2階から降りてきた。
「2階の暑さ異常なんだけど。体べったべた」
そう言った顔は、帰宅したときよりも汗をかいていて濡れた前髪が貼りついてる。
白いシャツの背中も下の肌を透かしていた。