本当に、何をムキになってるんだろうあたし。
 

エリカちゃんがこういう冗談を言うことなんて、珍しくないのに――
 



2人に気づかれないように溜息をつく。
 

窓の外は眩しいくらいの快晴で、
 
曇っていたユリの表情も、ずっと眉間に皺を寄せていたエリカちゃんも、ぎこちなさを残しつつ明るい表情に戻ってる。
 


でも、私は――




心に少しずつ垂れ込めた雲が、隠しておいた罪悪感を黒く肥大させていく。
 

このままではいけないのかもしれない、と、


弟がのぼっていった階段を眺めながら、思った。