本当に、何をムキになってるんだろうあたし。
エリカちゃんがこういう冗談を言うことなんて、珍しくないのに――
2人に気づかれないように溜息をつく。
窓の外は眩しいくらいの快晴で、
曇っていたユリの表情も、ずっと眉間に皺を寄せていたエリカちゃんも、ぎこちなさを残しつつ明るい表情に戻ってる。
でも、私は――
心に少しずつ垂れ込めた雲が、隠しておいた罪悪感を黒く肥大させていく。
このままではいけないのかもしれない、と、
弟がのぼっていった階段を眺めながら、思った。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…