え―― 声を上げる間もなく瑞貴の唇が首筋に触れる。 「ぴゃあっ」 ぞくり、と波紋が広がっていく感覚に身体が震えた。 「……なにその声」 低い声が耳元をくすぐる。 だ、だって! 「くすぐったいんだもん」 「一歌ってくすぐったがりだっけ?」 瑞貴が口角を上げ怪しげな手つきで近づいてくる。 「な、なに……?」 嫌な予感に身構えた瞬間、弟の身体が覆いかぶさってきた。