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だめだ。
この気持ちは気づかれてはいけない。
たとえ瑞貴がまだ私を想ってくれているとしても。
姉と弟の関係は、超えてはいけないものだ。
「はよ」
背後から掛けられた声に心臓が跳ねる。
心の動揺を押し隠すように、私はフライパンの蓋を外しながら返事をする。
「おは、よう」
いつものように弟は冷蔵庫を開けて牛乳に口を付けた。
瑞貴と目を合わせないようにしながらハムエッグをお皿に盛り付け、そのまま食卓に並べていると、
「あれ」
食卓の一角を見て、瑞貴が首をひねった。
その視線の先には私のお弁当とお父さんのお弁当が並んでいる。