やだ……。


何か怖い……。


いくら酔っているからとはいえ、ジロジロと至近距離で見つめられて背筋がゾッとする。


「おじさんと遊ぼうよ。ねっ?いいだろう?」


おじさんがあたしに手を伸ばした時、それより先に狼谷君があたしの手を掴んだ。


そして、おじさんとあたしの間に割り込むように自分の体を挟み込んだ。


「帰るぞ」


「……へっ?」


「ナオ、あとよろしくな」


「おー、了解」


狼谷君はそう言うと、あたしの手を引っ張って勢いよく歩き出した。