「じゃあ、ピンクの手袋は俺らで探しておくから桃華ちゃんはもう帰んなよ~」


男の子はあたしの肩をポンッと叩く。


「星哉に送っていってもらいなって。もう暗いし」


「でも……」


「いいからいいから。どうせ星哉も暇なんだし。桃華ちゃんみたいに可愛い子が一人で歩いてるなんて襲ってくれって言ってるようなもんだしさ~」


狼谷君に送って行ってもらうなんてありえない。


ていうか、あの日以来狼谷君とは全くしゃべってないし……。



その時、ドンッと誰かがあたしの肩にぶつかった。


「っ……――」


振り返るとそこには真っ赤な顔をしたおじさんが立っていた。


おじさんはあたしのことを上から下まで舐め回す様に見つめる。