「もしかして、この子?星哉の手に超へたくそなタヌキの絵書いた子」


「あぁ」


えっ……?


タヌキの絵ってまさか……あの時、保健室で描いた絵のこと?



「いやぁ~、寝てる星哉の手にでっかいタヌキの絵書いちゃうなんて、桃華ちゃんも度胸あるねぇ~」


「あ、あれは……人違いで……。まさか狼谷君だったなんて……――」


「しかも、油性マジックってとこが最高!!あの日、星哉みんなに笑われてたし。洗っても落ちないもんなんだね~。いやー、マジでウケたから」


「そ、そんな……」


狼谷君、あたしのせいでみんなに笑われてたの……?