「……――タヌキ女」 「はい?」 あたしが答える前に答えたのは他の誰でもない狼谷君だった。 「ハァ~?何だよ、タヌキって。どっちかっていうと、ウサギ系じゃん」 「いや、コイツはタヌキだ」 呆れたような笑みを浮かべる狼谷君に、不思議そうに首を傾げる男の子。 二人のやり取りに割り込むように名前を名乗る。