「で、何探してんだよ」 「えっ?」 「何か落としたのか?」 「あっ……うん。ピンクの手袋を……」 そう答えると、狼谷君はハァと短いため息を吐いた。 「片方してるってことは、もう片方を落としたのか?」 「そうみたい……。あの手袋……すごく大切なんだ……」 だって、愁太が買ってくれた手袋だから……。