「おーーい、星哉(せいや)~!!お前と同じ学校の子が困ってんぞ~!!助けてやれよ~」
目の前の男の子が大声でそう叫んだ。
えっ……?今、星哉って……。
確か、狼谷君の名前も星哉だよね?
狼谷星哉。
まさか。そんなわけない。
きっと同じ名前なだけ。
だって、彼は誰かとつるんだりせずに一匹狼だもん。
校内で誰かと一緒にいるところも見たことがないし。
そう思っていても、何故かちょっぴり期待してしまう。
狼谷君に会えることを……――。
「星哉~!!早くこっちこいって!!」
「……――んだよ。うるせぇな」
男の子に呼ばれて、暗闇から姿を現した人。
それは間違いなく、狼谷君だった。