「これ、俺の番号。登録しておいてね」


「えっ?」


「いやいや。そんな露骨に嫌そうな顔されちゃうとショックでかいなぁ~。つーか、そんなに見つめないでよ」


「はいっ?」


全然見つめていないのに……。


「今気付いたけど、キミ、可愛いね~。ていうか、この制服って星陵学園?」


スカートの辺りをジロジロ見ながら首を傾げる男の子。


「あのっ、もう失礼します!!」


やっぱり不良は苦手。


いい人の振りをして近づいてきたのは、ナンパのためだったんだ。


ニコリと笑って歩き出そうとした瞬間。