……きっと、これでいいんだ。


過去に星哉と瑞穂ちゃんに何があったのかは分からないけれど、今、こうやってあたしを選んでくれたんだから。


ナオくんに瑞穂ちゃんを頼んで、星哉はあたしを家まで送ってくれると言っている。


それでいい。


その事実だけを頭の中に叩き込んでしまえばいい。


そうすれば、胸の中に不安の種を抱えることなんてなくなる。



「……――うん」


小さく頷くと、星哉はあたしの左手を取った。