結城に掴まれたところがじんじんとあつく熱を帯びている。

「ちょ、結城離しっ...!」

「...お前わすれていただろう。」

「は?何が?」


私の言葉を遮るようにして結城はそういうと、呆れたように腕を離す。

「...あ、」

思わず腕をみつめる。

結城はその声を思い出したときの「あ」だと勘違いしたらしく、やっぱり忘れていたか、と呟くと


「日直だろう馬鹿者。」


と、眼鏡に触れながら言った。