_結城side

...この状況は、どうすればいいんだ。


お化け屋敷に入ってみたはいいものの、七瀬が俺の腕を掴んで離さない。

「...七瀬、落とし物が拾えないんだが...」

「うぅ、ごめん...だけど無理」

俺がそう言ってもむしろ掴む力が増すばかりだ。

やれやれ、そんなにさっきのが怖かったのか?

若干呆れつつ、やはり少し嬉しい。

...少しはやい俺の鼓動が、七瀬に聞こえないだろうか。

そんな女々しいことを思いつつ、少しかがんで落とし物とやらを拾う。