「憂ちゃん!」
「ん?」
胸元辺りまで伸びた艶やかな黒髪をなびかせて
私__七瀬 憂は声の主の方へ振り返る。
「あ、仁くん!なぁに?」
さりげなく上目遣いになるように彼を見上げ
少し頬を蒸気させて柔らかく微笑む。
「っ!//あ、あの、柚希さんが呼んでたよ?」
頬を赤く染め少し上ずった声でそう答える彼。
「あ、わざわざありがとうッ!」
勿論、去り際のボディータッチも忘れない。
軽やかな足並みで去っていく私を
彼はきっと...いや絶対夢見心地で見つめてる。
...ほんと男って単純。
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