昨日は長かったような気がする。椎名って人が転校してきて話しかけてきたし…
とりまレッツゴー!

一週間経ったが誰にも話しかけられることもなかった。思わずガッツポーズしてしまいそうだ。お隣さんはお休みだったし…!ぼっち最高ぉぉ!!
…明日タイム計るんだ。百メートルの。余裕だからいいや。
皆が遅すぎるんだよなー。普通に抜かせるし…
明日が楽しみだ。久しぶりだな、明日が楽しみって思うなんて。

「よーい」
「「お願いします」」
なんだ、四時間目にやるのか。待ちくたびれたぜ…
しっかし皆おせぇな。どんだけだよ。
「次、鈴川と鈴木な」
鈴コンビですか。よし、ぱぱっと終わらそうか。
「よーい」
「「お願いします」」
「ドン!」
ザッと地面を蹴る音がした後、私は思いっきり走った。
「うわぁ、鈴川速いっ」
「速すぎだろ…」
「今年も陸上でるよなー」
うるさいな。お前らが遅いだけだし。
「鈴川は17秒01な」
速っとか言う声が聞こえる。どーもしか言えない…
てか今日調子悪い…足痛い…
まあ十七秒台だからいいや。

私は運動、勉強には自信がある。まあ…完璧ではないけど。ただ皆がバカなだけか…
結果は見えてるから努力しなくていい、いつもそう思ってる。
今年も陸上大会出場決定かなー。

「鈴川さん、足速いね」
教室に帰ると椎名が話しかけてきた。
「え、あ、ども」
「どうしたらそんなに速くなれるの?」
知りません。いや、ほんとに知らない。てか速いと思ってないから…
「さあ。小さいころから走ってたからじゃん?」
そう言って本を取り出し読み始めた。
「あ…そうなんだ。ありがとう」
今でも速くなろうと思えば速くなれるんじゃねぇの?いや、中学入ったらそれは無理か…
今日は眠いから寝てよっかな。授業中に寝ても気づかれないし…
よし、寝よう。
そう決めてゆっくり目を閉じた。