山頂には宮殿のような建物があり、その建物の前には広場がある


「せいやっ!!」
「はっ!!」
「ふんっ!!」



大きな広場で男たちが演武や試合、稽古などをしている


女性の門弟たちは壁の方に座りそれを見ている




宮殿に通じる階段の上でなずなは門弟を眺める


「目星はつきましたか?」

なずなの母親が言う


「…。」

なずなは目を伏せる


「慎重に見定めなさい。

武神流の正当継承者になる者を選ぶのだからな。

武神流の正当継承者ともなれば世界中の武を目指す者への凄まじい権力も手に入り、武神流の奥義を学びて最強ともなる。

武神流のますますの発展のためにも…」



なずなの父親が長々と語る



「夕刻に行われる宣告の時までにじっくり、しっかりと見定めなさい。」

母親が言う


「…はい。」


「武神流も確かに大事だけど…あなたの将来の夫を選ぶ儀式でもあるのよ?」


母親が言う



「…。

わかっています。」


「…。

あなたに…社会勉強をさせたくて小中学校と数ヶ月とは言え高校に通わせたのがあなたを苦しめたのかしら…」


母親が哀しそうな表情を浮かべた