「して…ワシは何の利点があるのじゃ?」


老人が言う

「こっちにいい場所があるんだ。」

幸大が校舎裏に案内した


「人気のない場所がいい場所とな?」

老人が言う


「そこの壁に小さな穴があるだろ?

前までそこにはFF式の暖房機の排気用の穴だったんだ。

それを経費削減で教師が穴埋めの補修をしたら不完全で中が見えるんだ。」


「ほぉ…どれどれ…


ふむ…ほぉ…のほっ…むひょひょ!!」


老人が釘付けになる


「これで武術を教えてくれるか?」


「ふむ。

お主もなかなかわかっているようじゃから特別に許可しよう。


今後はワシのことは『老師』と呼びなさい。」


「老師?」

「先生という意味じゃ。」


「へぇ。


あ…なずなからだ。



じゃ…老師、俺は帰るからちゃんと武術教えてくれよ?」


「わかっとる。


さて…ワシは続きを。」

老師は穴をひたすら覗いていた