「シェリーは十分、大人っぽいけどな。」

「ぽい、だけじゃ意味ないわよ。」

スッ…

シェリーが幸大に近づき、幸大の胸に額をつける


「ど、どうしたんだよ、いきなり!」

幸大は動揺する


「ねぇ、ぽい、じゃなくて、大人になりたいの。

幸大に大人にしてほしいの。」


顔を上げ、そう言ったシェリーの瞳は潤んで、頬も少しだけ赤くなっていた

「それって…」

幸大が言う

「いちいち言わなくても、さすがにわかるでしょ?

それとも、私とは嫌?」


「…。」

「…。」


少しの沈黙

そして、幸大がシェリーをゆっくり抱き締める


「お、俺で、いいんだな。」


「あんたじゃないとダメ。」

「、俺は健全な男子だから、その、止められないぞ?

やめるなら、今のうちに…」


「途中でやめたら、引きちぎるわよ?」


「…。

どこを、かはあえて聞かないけど…

いいんだな?」

「うん、優しくしてね?」


「初めてでそんな余裕はないっての。」


二人は見つめあって唇を重ねようとする


ヒュッ!

「危ない!」

幸大がシェリーを押して、幸大自身も後ろに飛んだ



「べつに小鷹は避けなくても、小鷹には当てる気はないから安心して。」


そこには手裏剣を持ったあかねの姿があった


「あんた、本気で投げてきたわね…」

「本気で邪魔しなきゃ、小鷹の貞操が危なかったからね。」


「危なくなんかないわよ。

幸大は今から私と一つになって幸せになるんだから。」


「一人で部屋を出た時から警戒しててよかった。

小鷹の童貞は僕がもらうよ?」


「悪いけど、私は幸大の承諾を得てるの。

お邪魔虫は消えなさい!」


ヒュッ!

シェリーが蹴りを繰り出す

バッ!

あかねは一瞬消え、後退して距離を取る




「…。

喧嘩するなよ。」


「とか言って、幸ちゃん、少し残念そうな顔してる!」


「うおっ!

ツバメもいたのか。」

「幸ちゃんがそんなにしたいなら、私が…」

ツバメがそう言いながら幸大の腕を抱き締め頭を幸大の肩に乗せる


「あんたら、そこから一歩も動くんじゃないわよ?

まとめてぶん殴るから。」

「な!?

すみれ!

いや、何でそんなに怒って…


てか、日焼けは大丈夫なのか?」



幸大が言う


「あんたが全身くまなく、よけいな所までしっかり塗ってくれたおかげでかなり楽になったわよ。」


「よけいなって、胸と尻をちょっと触っただけじゃないか…

怒んないでくれって…」


「私もあんたの顔面をグーで思いきり触るだけだから歯を食い縛りなさい!」




「ヤバイって!


仕方ない、ひとまず撤退!」


幸大が皆を振り切り走り出した



















その頃、女子部屋


「みんな、トイレに行くって言ったっきり帰って来ないッスね。」


あずさが言う


「みんな、腹でも壊したのだろう。」


「何で私だけ縛られてるのさ!」

ジニーが言う


「さっき、幸大の部屋をピッキングしようとしてたのを見つかってフロントマンにつれてこられたからだ!」



なずなが言う