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幸大は海岸を歩いていた

「あら、意外にもロマンチックなところで出会ったわね。」

シェリーが風で舞う髪を抑えながら笑う


「…。」

幸大はその銀髪と月の光、夜の闇と海の深い青を纏った美女に目を奪われていた


「何よ…ボケッとして。」


「ああ、いや、すごく綺麗だから。」

「なっ!?

あ、当たり前でしょ!?

今さら、何を言ってるのよ!」


シェリーが照れながら言う


「まあ、確かに今さらだけどさ。」


「あんたもこの南国気分に浮かれすぎてるんじゃない?」


「否定はしないさ。

初めての海外で、美女たちに囲まれてるんだからな。」


「美女、たち、ってところが気に食わないわね。」


「シェリーは寝れないのか?」

「さっきまで皆で部屋ではしゃいでいたし、今ごろは皆でトランプでもしてるはずよ?」


「一緒にやればいいじゃないか。」


「…。

少しだけ夜の海岸を散歩して大人の女を気取りたかっただけ。」

シェリーがイタズラっぽい笑みを浮かべた