時の神の領域



「また来たのか、武神。」

見た目はただの男性だ


「世の中には諦めたくないことがあるんだ。」

幸明が言う

「それが世界の理を歪める。

万が一にも生きてる者が死に逝くこともあるのだぞ?」


「そこを上手くやるのは君の手腕だろう?」


「そこの若造が死ぬこともあるのだぞ?

正確には生まれない、か。」


「時の神、このやりとりは僕たちは何度もしただろう?」


幸明が言う


「だが、そこの若造は覚えていない。」


「王槍!」


ドシュンッ!

幸大は時の神に攻撃を仕掛けた

「君は何度目からかは忘れたが不意打ちを仕掛けた。

が、その都度、私は時を止めて後ろに立った。」


時の神は後ろに立っていた

「ハッ!」

幸明が攻撃を仕掛ける


「私は何度となく君たちの攻撃を避けている。


そして、君たちは気づいてないが…この後、一時間は僕と戦っているが一度も攻撃は当たらなかった。」


「な!?

つまり、あんたは一時間後の世界から時間を巻き戻して来たのか?」

「ああ。

だが、私がそのことを告げる度に攻撃を変えてくる君はあと何億回かこなせば掠りはするかも知れないな。」


「何度も?

つまり一時間後に何回も時間を戻してるのか?」


「そう、もう8回目だ。


が、飽きたよ。

そろそろ、記憶を消して退場してもらいたい。」


「これならどうだ?

幸明!」

「ああ!」


「ほぉ、挟み撃ちか。

だが…」

攻撃を仕掛けた幸明の後ろに現れた時の神を幸明は無視した


「神砲!」


ドォンッ!


「な!?」


時の神は驚いた


バァンッ!


幸大は吹き飛ばされ後方にあった門へと吹き飛んだ

その速度は常人の目に追えるモノではなかった


「貴様…あの若造を殺す気か?」

「まぁ…君はいつも僕の攻撃を避けているから実際にはわからないだろうけど…君なら間違いなく死を感じてたはずさ。


僕も武神になって初めて…全力で攻撃を放ったよ。

内臓は原型をとどめてないだろうね。」



「いったい…」

「あれは彼が考えた作戦だ。

君との戦いを少しでも経験したまま門から出るために、ね。」


「はっ‼」

時の神が門を見たときには幸大の姿はなかった


「中途半端な力じゃ速度も遅いし…何よりも君が気づいてしまう。

気づかれれば時を止めて、台無しだ。



今から君が時間を戻しても僕の時間しか戻せないだろ?


僕が門から入った瞬間に戻してもすでに幸大君はいない。



近いうちに必ず彼と共に…最後の戦いに来るよ。

時間も残り少ないからね。」


幸明が門の近くまで行く


「貴様は本当に過去を変えられると?

お前の過去にお前は行けない。

お前の過去に若造が行ったとして何を変えられる?」



「さぁ?

でもね、僕は彼に期待してるわけじゃない。


ただ、託したい…僕の何かを。



それが…弟子、だろう?


何かを伝え、受け継いだ弟子が僕の出来なかったことを成す。



僕の伝え、受け継ぎ…導いて辿り着いた、さらにその先へ行くのが僕の期待なのかもね。」


幸明が門を出た