「そう。

だから…僕は過去をちょびっとだけ、変える。」

「できるのか?」

「そのためには…時の神をぶっ飛ばして過去に行かなきゃならない。


が、僕たちは時の神に負け続けて、君はその記憶を消されている。」


「幸明は消されないのか?」


「僕は神様だからね。」

「は?」

「だから、僕は武神だもん。」

幸明がドヤ顔で言う



「…。

よし、とりあえずは戦ってみよう!」

幸大が言う


「まぁ、いいけど…また、去年の夏頃から今日までの記憶を消されちゃうよ?」

幸明が言う


「消されないようにするには?」

幸大が言う

「今からこの門から時の神の場所に行く。」


幸明が言うと木の門が現れた


「で?」

「時の神は自分の領域に入った瞬間からの時を操る。


つまり、今より過去に行くことはないし、今より未来も…この門の中に居た時間しか流れない。

門の中も時の速さは一緒だ。」



「なんか、難しい話だな。」


「つまり、僕たちにとってはこの門の中で戦おうとも、そこら辺の空き地で戦おうとも変わらない。


ただ、この門の中で時の神は時間を止めることも、戻して僕らが入った瞬間に戻ることもできる。」


「じゃあ、勝てないじゃないか…」

幸大が言う

「まぁね…

でも、時の神が時間を戻す前に門から出るんだ。


そうすると、時の神はいくら時間を戻しても僕らが出た後までしか戻せない。」


「ん?

ちんぷんかんぷんだ。」

幸大が言う

「君には君の時間が流れてる。

時の神はこの門の中の領域のみで君の時間が操れる。

ただ、操れるのは君が領域の中にいる間の時間だけ。


だから…今の君より過去に時の神は戻れないし、未来にも行けない。


だから…君が時の神が君の時間を巻き戻す前に門から出たならばそれまでの記憶も時間も時の神には弄れない。


まぁ、いつも、出ようとすると時間を止められて負けるんだけど…」


幸明が言う



「止める前に出れば良いんだな?」

幸大が言う

「できるなら、ね。」


「虚を突いて…

そうだな…」


幸大が考え込む






「1つ、ヤバいが名案がある。」


幸大が苦笑いしながら言う